ほしをみるひと じゃなくていーの?(笑)

スクウェア・エニックスは12日午後2時よりパークハイアット東京にて開催している「生誕20周年記念ドラゴンクエスト新作発表会」にて、人気のRPGシリーズ最新作『ドラゴンクエスト9 星空の守り人』をニンテンドーDSで発売する事を発表しました。

 あ、ドラクエの最新作。なんだろう。このときめきのなさは。今まではそのときそのときでそれなりにメジャーなハードで発売され好評を博していたドラゴンクエスト。今回はその最新作をニンテンドーDSでのリリースに決めたようです。んー…全然トキメカナイ。
 なんかものっすっごい普通のこと書きますけどね、基本的にDSのRPGって面白くないです。そもそも容量が128MBとかやたら時代を逆行したものになっているせいで、単純かつ面白いゲーム(スーパーマリオマリオカートぶつ森のような)を作るのにはむいているし、その独自性から売れるというのもわかるんですけど、ことRPGになるとこれは別です。いや、128MBあれば十分すぎるRPGを作れるのには作れるんですよ?だってスーパーファミコンだって面白いゲームはごまんとあったわけだし、ドラクエだってむしろスーパーファミコンで出たドラクエ5が大人気だったからPS2でリメイクする気になったんだし。どんなに容量が少なくても、作り手がきちんとゲームの面白さだけを考えていれば128MBもの容量があればいくらでも面白いものが作れるはずなんですよ。では何故DSのRPGはおもしろくないか、そしてドラクエ9に対してここまでときめかない気持ちにさせられるか。やっぱりそれはグラフィックにあると思うんですよ。
 グラフィックがいいということはいいことです。実際私だってドラクエ8のグラフィックにはそれなりに感動もしましたし、あれはストーリーもシステムも無難で悪くなかったと思います。しかしそれは記録媒体がDVDだからという話であってね。
 DSのRPGで最も失敗作と言われてるのはやはり『テイルズオブザテンペスト』ではないでしょうか?私は面白くない面白くないと言われながらもファンの意地で買ってやったのですが、テイルズシリーズで初めて、ソフトを売りました。しかもクリアしないまま。テイルズシリーズはSFC時代に第一作目であるファンタジアを発売し、これは非常に面白かった記憶があります。しかも声いり。なので、128MBあれば面白くできるんですよ、余裕で。件の作品では128MBあるうちの70そこそこしか使っていないという噂もあり、膨大な容量をオープニングムービーに当てているはずです。こんなのであのように3Dグラフィックをこれでもかと駆使して、他のことに回る容量があるはずもなく、システムは中途半端、ストーリーは子供向けのアニメ以下というなんとも寂しい結果に終わってしまいました。
 そこへ行くと同じDSでもFF3リメイクとポケットモンスターは違います。これらはどちらもそれなりにグラフィックは綺麗ながらも、基本は2Dゲームです。システムもストーリーもそこそこいい線いっていますし、ポケモンなんかはストーリーにあまり満足出来ないとしてもやり込み要素もありますしね。
 さて、この新しいドラクエがグラフィックの面でどちらに属するかというとどう見ても3Dです。本当にありがとうございました。
 まあそれだけで悪い作品と最初から決めつけるのもどうかと思うのですが、戦闘はアクションだのネットワーク対応だの聞くと、ああ、これはドラクエではないのだな、と諦めの感情がどうしても先に立ってしまいます。キャラもなんだか、ドットながら何となくかっこいい、と思えたあの頃のキャラではなく、なんかもうテイルズと同じキャラゲーのような3Dグラフィックのキャラが動いています。
 これが新世代のドラクエだ、と言うのならちょっとあんまりだと思う。もしこのゲームが百歩譲って面白かったとしても、今まで持っていた大事なものを捨てて得る面白さに何か価値があるのでしょうか。
 最低限として、テイルズオブザテンペストの二の舞には絶対になって欲しくない。外伝なら許せるがシリーズのナンバーを冠した作品でそんな失態をおかすことはないと信じています。
 最後に。DSというハードを見誤ったとは思えないが、DSはスーパーファミコンプレイステーションの代わりには決してなりえない。私たちが向き合っていたドラクエは『純一テレビゲーム』である。ケータイの小さい画面を見つめて、ではなく、テレビの(小型であれ)大きな画面と向き合ってこそ得られた感動がそこにはありました。音楽の問題だって携帯機と据え置き機では大きく違う。何故シリーズナンバーを冠した作品を、携帯機で出そうと思ったのか、いくら考えても理解に苦しむところです。

 携帯機であるということは、それは、RPGが1人用でありながらも同じテレビを見ながら複数で楽しめたあの場面も過去のものになってしまうことをも意味します(それはネットプレイが代わりになれるじゃないですし)
 テレビ画面であれば当然出来た、2人で、みんなで、自分でやって、あるいはプレイ画面を横から見つめて、『かいしんのいちげきはぐれメタルをたおした!』時のようなあの高揚感と一体感を味わうことは、もはやドラクエでは出来ないのでしょうか。

 私は、もう、ドラクエ10へと思いを馳せています。